さわやかなコミュニケーションの代表といえば
アイメッセージ。
いまや「アイメッセージ」をご存じの方は少なくありません。
アイメッセージというのは目と目で通じ合う
アイメッセージではなく、、、^^
主語を「私」、英語のIを使って
自分の気持ちを伝える方法です。
いたってシンプル。
何度かやればコツが掴めるので
人気のコミュニケーションスキルです。
子育てや、スポーツ、接客サービスなどの仕事、
セラピーやコーチングやカウンセリングなど、
あらゆる分野で使われるポピュラーな方法ですね。
例えば・・・
「そんなことしてないで荷物を運ぶのを手伝ってよ! (怒)」
と思わずイラッとして叫んでしまい、
場が凍りつく・・・。
そんな時に、アイメッセージは
魔法のメッセージですよ~
主語をアイ(I)に変えて
「私は荷物を運ぶのを手伝ってくれると嬉しい(助かるの)」
と変えると良いですよ~
なんていう話を聞いたことはないでしょうか?
これは適切に使えばとても有効な手段です。
なので私の教えるカウンセラーや
コーチたちもやたらとその提案をするのですが・・・
私が知る限り、残念ながら多くが間違って使っています。
ちょっと待って!その使い方は間違っています!
例えば
「荷物運ぶの手伝ってよ!!!」
は相手が気が利かない前提で使っている言葉ですよね。
相手のことを気が利かない人として扱うのは、
相手の価値を下げたものの言い方になるわけです。
言い方を変えれば表現は
まるで裁判官からの宣告、
厳しい先生からの成績発表
みたいなものです。
だからお互いに否定された感が強く
イライラするんですよね。
これをアイメッセージに変えると・・・
相手に対して気が利かないと
責める印象にはならないよ~
と理論上では言われています。
言いたいことの頭に「私」をつけて
文法を変えていけば成り立つので、
教える方も教わる方も手っ取り早いのです。
が、しかし!
心理学というのは時として凶器になっていまうのです。
人の心に深く届くからこそ
良いと言われているものも
使い方を間違うと傷つけることに
なりかねません。
例えば、
メールやチャットはリアルや電話に比べると
受け取り違いを起こすことがありますよね。
だから主語を私(アイ)にしただけで
うまくいく、と思い込んで
なんでもかんでも私を頭につけると・・・
こんなことが起こります。
↓ ↓ ↓
「私はさっき予約ボタンを押しました。
そうしたら仮予約のメールが届いています。
確認ですが、一旦仮予約とはどういう意味ですか?
私は決定と思っておりますが…
これは確定じゃないんですか?
私は予約できていないんですか?」
いかがでしょうか?
どんな印象になりますか?
これは
「予約ボタンを押したんだからフツー予約でしょ!
仮予約って何? なんで予約になってないの?」
というメッセージを送っていることになります。
表現は確かに「私」でアイなのですが・・・。
「私はちゃんとやってんのに、あんたのところ、なってない!」
と相手を責める印象ですね。
これは
「どういう意味ですか?」
という言葉が厳しさを生んでいます。
「なぜ?」「どういうこと?」
という疑問文は詰問になることがあるので要注意です。
いくらアイメッセージにしても
この詰問的な言葉が入るとNGなんです。
さらに疑問文の連発になるので、責め立てられている印象ですね。
本人にはそのつもりがなくても攻撃的にとられてしまい、
残念ながら拒絶されることもあり得ます。
どういうメッセージだと 良いか?
では先ほどの例文で考えてみましょう。
どう変えたら柔らかくなると思いますか?
これはいかがでしょうか?
↓ ↓ ↓
「先ほど、予約ボタンを押したところ
仮予約というメールが届きました。
私は先ほどの予約がちゃんとできているか心配です。
ご確認をお願いします。」
何が違うと思いますか?
前者と後者では前提になっていることが違いますね。
前者は
「自分は正しい、あなたは間違っている」
を主語を「私」にして伝えています。
この場合は「自分の世界がすべて」
なのでしょうね。
アイメッセージの本質とは?
アイメッセージの本質は
「相手が○○すべきだ」
と決めつけてかかるような表現を避けるためのもの。
相手とは対等であり、厳を保ち、
尊重すること前提で使われるもの。
主語を「私」にすれば
さわやかなコミュニケーションが
自然に生まれるというものでもありません。
軸にあるのは思いやりの心ですね。
コミュニケーションは本来、
人生を豊かにするものです。
決して難しいものではありません。
心を通わせることの素晴らしさを
味わっていきたいものですね。
今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。